REMAIN Birger Christensen (リメイン バーガー クリステンセン、以下 REMAIN) は、デンマーク・コペンハーゲンを拠点とするファッションブランドです。2018年に、セレクトショップ「Birger Christensen」のクリエイティブ・ディレクター兼CEOであるDenise Christensen (デニス・クリステンセン) によって設立されました。
このブランドは、現代女性のための、時代を超えて愛されるワードローブを提案することをコンセプトとしています。シンプルでありながらもディテールにこだわり、高品質な素材と洗練されたカッティングによって、エフォートレスでモダンなスタイルを表現しています。特に、レザーアイテムやニットウェア、シャープなテーラリングに定評があり、北欧らしいミニマリズムと実用性を基盤としつつ、現代的な感性を取り入れたデザインが特徴です。
1. ブランドの誕生と背景:Birger Christensenからの派生
REMAINを理解する上で、その母体であるBirger Christensen (バーガー クリステンセン) の存在は欠かせません。
Birger Christensenとは?:
1869年にデンマーク・コペンハーゲンで設立された、非常に長い歴史を持つ老舗の高級セレクトショップであり、ファー(毛皮)ブランドです。
創業以来、デンマーク王室御用達としても知られ、最高品質のファーコートやアクセサリーを提供してきました。
時代と共に変化し、ファーだけでなく、世界のトップデザイナーズブランド(例: CHANEL, CELINE, LOEWE, BOTTEGA VENETAなど)を取り扱う、北欧を代表する高級セレクトショップとしての地位を確立しています。
REMAIN設立の経緯 (Denise Christensenの役割):
Denise Christensenは、長年ファッション業界で経験を積み、2016年にBirger ChristensenのCEO兼クリエイティブ・ディレクターに就任しました。
彼女は、老舗であるBirger Christensenの伝統と革新性を融合させ、現代の市場に対応する必要性を感じていました。
セレクトショップとして様々なブランドを見る中で、「シーズンごとに消費されるトレンドアイテムではなく、長く愛用でき、現代女性の多様なライフスタイルに寄り添う、高品質でタイムレスな定番アイテム」 の需要、そしてそのギャップに気づきます。
そこで、Birger Christensenの持つ品質へのこだわりとクラフトマンシップの精神を受け継ぎつつ、より現代的で手の届きやすい(ハイブランドと比較して)価格帯の独自のレディ・トゥ・ウェア(既製服)ブランドとして、2018年にREMAIN Birger Christensenを立ち上げました。
ブランド名「REMAIN」の意味:
「REMAIN」という名前には、「残り続ける」「持続する」 という意味が込められています。これは、トレンドに左右されず、長く着続けられる(remain in your wardrobe)タイムレスなデザインを目指すというブランドの哲学を象徴しています。
Birger Christensenという確固たる基盤と信頼性、そしてDenise Christensenの現代的なビジョンが融合することで、REMAINは設立当初から注目を集める存在となりました。
2. ブランド哲学とコンセプト:現代女性のための「永遠の定番」
REMAINのコレクションは、明確な哲学に基づいてデザインされています。
タイムレス (Timeless): 流行に流されず、何年経っても色褪せない普遍的なデザインを追求します。クラシックなアイテムをベースにしながらも、現代的な解釈を加えることで、古さを感じさせません。
モダン (Modern): シンプルでクリーンなライン、洗練されたシルエット、そして現代的なディテールを取り入れ、今の時代のムードを反映しています。
エフォートレス (Effortless): 肩肘張らず、自然体で着こなせるスタイルを提案します。シンプルながらも存在感があり、着るだけで洗練された印象を与えます。快適な着心地も重視されています。
高品質 (High Quality): 素材選びに妥協せず、レザー、ウール、カシミア、シルク、オーガニックコットンなど、上質な天然素材を中心に採用しています。丁寧な縫製と仕上げにより、長く愛用できる品質を実現しています。
実用性 (Practical): 日常生活の中で活躍する、着回しの利くアイテムが多いのが特徴です。オフィスウェアとしても、カジュアルな週末のスタイルとしても取り入れやすく、多様なシーンに対応します。
サステナビリティへの意識: 近年、ファッション業界全体でサステナビリティへの関心が高まる中、REMAINも環境への影響を考慮した素材選び(オーガニックコットン、リサイクル素材など)や、長く使える品質を重視することで、持続可能なファッションへの貢献を目指しています。
REMAINは、目まぐるしく変化するファッショントレンドの中で、「自分らしいスタイルを確立し、長く大切に着続けられる服」 を求める現代女性のニーズに応えるブランドと言えます。
3. デザインの特徴と美学:スカンジナビア・ミニマリズムの進化形
REMAINのデザインは、北欧・スカンジナビアデザインの美学を色濃く反映しつつ、独自の個性を加えています。
ミニマリズムとクリーンなライン: 無駄な装飾を削ぎ落とした、シンプルでクリーンなシルエットが基本です。直線的なカットや、構築的なフォルムが多用されます。
洗練されたカラーパレット:
ニュートラルカラー: ブラック、ホワイト、ベージュ、キャメル、グレーといったベーシックで落ち着いた色合いがコレクションの基盤となっています。これらの色は、タイムレスで着回しやすく、洗練された印象を与えます。
アースカラー: ブラウン、カーキ、オリーブグリーンなど、自然を思わせる落ち着いた色合いも多く用いられます。
アクセントカラー: シーズンごとに、トレンドを意識した鮮やかな色(ブルー、ピンク、イエローなど)や、深みのある色(バーガンディ、ダークグリーンなど)がアクセントとして加えられ、コレクションに新鮮さをもたらします。
素材へのこだわりとテクスチャー:
レザー: REMAINのシグネチャーとも言える素材。滑らかで高品質なレザー(ラムスキン、カーフスキンなど)を使用し、シャープなジャケット、パンツ、スカート、ドレスなどを展開。ハードになりすぎず、モダンでリュクスな雰囲気が特徴です。
ニットウェア: 上質なウール、カシミア、アルパカ、コットンなどを用いたニットは、シンプルながらも編み地の変化やシルエットで個性を表現。リラックス感と洗練さを両立させています。
テーラリング素材: ウールギャバジン、クレープ、リネン混など、仕立て映えのする素材を使用し、シャープなブレザー、トラウザー、ベストなどを展開。マスキュリンな要素を取り入れつつ、女性らしいシルエットも追求しています。
その他: シルク、オーガニックコットン、テンセル™、リサイクルポリエステルなど、肌触りや機能性、サステナビリティを考慮した素材が選ばれています。
ディテールへのこだわり: シンプルなデザインの中にも、カッティングの妙、ドレープ、アシンメトリーなデザイン、質感のコントラスト、控えめな金具使いなど、細部にこだわりが見られます。これらのディテールが、服に奥行きと個性を与えています。
マスキュリンとフェミニンの融合: シャープなテーラリングやレザーアイテムといったマスキュリンな要素と、柔らかなニットやドレープ、繊細な素材感といったフェミニンな要素が、絶妙なバランスでミックスされています。
REMAINのデザインは、「抑制されたエレガンス」「静かな自信」「知的で自立した女性像」 を感じさせます。スカンジナビアのミニマリズムを継承しつつ、より都会的でエッジの効いた現代的なスタイルへと進化させている点が魅力です。
4. シグネチャーアイテムとコレクション
REMAINのコレクションを象徴する、代表的なアイテムカテゴリーです。
レザージャケット&コート:
ブランドのアイコン的存在。シャープなブレザースタイル、トレンチコート風、シャツジャケット型など、多様なデザインを展開。上質なレザーを使用し、流行に左右されない洗練されたアウターとして人気です。ブラックやブラウンなどの定番色に加え、シーズンカラーも登場します。
レザーパンツ&スカート:
ストレートレッグ、ワイドレッグ、テーパードなど、様々なシルエットのレザーパンツは、コーディネートの主役になるアイテム。レザースカートも、ミニからミディ丈まで、多様なデザインが見られます。
ニットウェア:
高品質な素材で作られたセーター、カーディガン、ニットドレスなど。チャンキーなケーブルニットから、繊細なリブニット、オーバーサイズのシルエットまで、デザインは豊富。シンプルながらも存在感があり、着心地の良さも魅力です。
テーラードアイテム:
シャープなカットのブレザー、ベスト、スラックスなど。単品での着回しはもちろん、セットアップで着用することで、パワフルで洗練された印象に。マスキュリンな雰囲気の中に、女性らしいラインも計算されています。
シャツ&ブラウス:
クリスプなコットンポプリンのシャツ、流れるようなシルクブラウスなど。ベーシックなデザインの中にも、ボリュームスリーブ、特徴的な襟元、アシンメトリーなヘムラインなど、ひねりの効いたディテールが加えられています。
ドレス&スカート(レザー以外):
ニットドレス、シャツドレス、スリップドレスなど、エフォートレスで洗練されたデザインが中心。ミディ丈やマキシ丈が多く、落ち着いた大人の雰囲気を演出します。
これらのアイテムは、単品でも組み合わせても使えるようにデザインされており、カプセルワードローブ(最小限のアイテムで着回す гардероб) を構築する上でも非常に有効です。REMAINの服は、数シーズンにわたって展開される定番的なデザインが多いのも特徴で、過去のシーズンのアイテムと新しいシーズンのアイテムを組み合わせて楽しむこともできます。
5. ファッション業界における位置づけと評価
「ニュー・スカンジナビアン・スタイル」の一翼: Ganni (ガニー) や Cecilie Bahnsen (セシリー・バンセン)、ROTATE Birger Christensen (ローテート バーガー クリステンセン – REMAINと同じくBirger Christensen傘下の別ブランド) などと共に、現代の北欧ファッションシーンを牽引するブランドの一つとして注目されています。伝統的なミニマリズムに、より現代的で、時に大胆な要素を加えたスタイルが特徴です。
ターゲット顧客層: ファッション感度が高く、品質とデザイン性を重視する、自立した働く女性などが主なターゲットと考えられます。トレンドを追いかけるよりも、自分らしいスタイルを持ち、長く愛用できる質の良いものを求める層に響いています。
価格帯: いわゆる「アフォーダブル・ラグジュアリー」または「コンテンポラリー」ブランドのカテゴリーに位置づけられます。ラグジュアリーブランドほど高価ではないものの、ファストファッションや一般的な量販ブランドよりは高価です。品質とデザイン性を考慮すると、コストパフォーマンスは高いと評価されることもあります。
国際的な展開: コペンハーゲン・ファッションウィークでコレクションを発表し、欧米を中心に、オンラインストア(公式サイト、NET-A-PORTER, Mytheresa, SSENSEなど)や有名セレクトショップで取り扱われ、国際的な知名度を高めています。日本でも、セレクトショップでの取り扱いやオンラインでの購入が可能です。
インフルエンサーやメディアからの評価: ファッション誌やオンラインメディア、インフルエンサーからも、その洗練されたデザインと着回し力の高さが評価されています。派手さはないものの、質の高さとタイムレスな魅力が支持されています。
6. REMAINを選ぶ理由 – まとめ
REMAIN Birger Christensenは、以下のような理由で多くの現代女性に選ばれています。
時代を超えて愛せるデザイン: トレンドに左右されず、長く着続けられる普遍的な魅力。
高品質な素材と作り: 上質な天然素材を中心に、丁寧な仕立てで長く愛用できる。
洗練されたモダンなスタイル: シンプルながらもディテールにこだわり、着るだけで洗練された印象に。
着回し力と実用性: 日常の様々なシーンに対応し、コーディネートしやすいアイテムが多い。
エフォートレスな着心地: 自然体でいられる快適さ。
「投資」する価値のある服: シーズンごとに買い替えるのではなく、質の良いものを長く大切に着たいという価値観に合致する。
北欧デザインの美学: 機能性と美しさを両立させた、抑制されたエレガンス。
REMAINは、目まぐるしく変化するファッションの世界において、「本質的な価値」や「持続可能性」を求める人々にとって、信頼できる選択肢を提供しています。それは、単なる衣服ではなく、着る人の個性と自信を引き出し、日々の生活に寄り添う「パートナー」のような存在と言えるかもしれません。今後も、そのタイムレスな魅力と現代的な感性で、多くの人々を魅了し続けるブランドであり続けることでしょう。